〔岩茶〕牛欄坑肉桂

アロマ

沸騰したお湯を注いだ瞬間に、とても力強い清涼感と重みのある馥郁たる香りが宙に漂います。

風味

ファーストノートは、高いトーンで温かみのある香りが感じられ、味はとても濃く、口当たりは丸く、後味の甘みは長く続きますが、花のような香りは消えません。香りと風味のバランスは非常に良く、これが肉桂の最高峰なのだと知らしめてくれます。次に、肉桂岩茶独特のシナモンの香りが徐々に現れ、口内に広がり、瞬時に甘くなり、岩韵を強く感じ、カップの残り香が特に素晴らしいです。

好相性の食べ物

チーズ。

コンディメンツ（お茶にあわせて）
ストレートで。

肉桂は歴史的に有名な岩茶（青茶の一種）ですが、中国の福建省にある武夷山のお茶の品種の名前であり、その「品種」にちなんで名付けられたお茶の名前です。高品質で独特の香りがあり、岩茶の中でも希少な品種です。早摘みのものはフランキンセンス（中東・東アフリカ・インドなどに自生するカンラン科ボスウェリア属の木から採取される樹脂で乳香とも言われます）、遅摘みのものは明らかにシナモンの香りがあり、味はフレッシュでまろやかです。

中でも、「牛欄杭」で生産された牛欄杭肉桂は"牛肉"として有名になり、一般のお茶の愛好家にとって牛欄杭肉桂は、武夷岩茶の贅沢品となってしまいました。ですから、武夷岩茶の愛好家は、牛肉に代わるものを探し始め、武夷岩茶の様々な"肉"が一つずつ掘り出されました。牛肉のほか、馬肉、羊肉、豚肉、虎肉、獅子肉、鷲肉、猫肉、さらには鬼肉、龍肉があります。

馬肉は、お茶の愛好家を獲得するために、そのユニークで存在感のある味で、馬頭山の岩肉桂を指し、馬肉の名声は牛肉に劣りません。

羊肉：洋墩岩肉桂、豚肉：猪仔洞肉桂、虎肉：虎啸岩肉桂、獅子肉：青狮岩肉桂、鷲肉：鹰嘴岩肉桂、猫肉：猫耳石肉桂、龍肉：九龙窠肉桂、鬼肉：鬼洞肉桂などなど、武夷岩茶であらゆる肉を愉しむことができます。

不完全な統計によると、全体の牛欄杭肉桂の栽培面積は、約50エーカーで10人以上の茶農家が管理しているとも言われ、クオリティのみならず、収量に限りがあることもこのお茶の価格を高騰させる理由にもなっています。また、工程が複雑であることも余分な人件費、光熱費諸々が価格に上乗せされます。よって、この名前を使用した偽物も多く出回っており、牛欄杭肉桂を購入するためには、お金があるだけではなく本物を見抜くテイスティング力も必要とされます。岩茶に慣れ親しんでいないと、なかなか難しいかもしれません。